【犬のしつけ】犬と暮らすなら必ず覚えておきたい基本の「コマンド」とは?

2022.5.23

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【犬のしつけ】犬と暮らすなら必ず覚えておきたい基本の「コマンド」とは?

人が犬に、特定の動作をしてほしいときに使う指示のことを「コマンド」といいます。一般的に知られているコマンドとしては、オテやオスワリ、フセなどがあげられます。これらは、犬に触れる機会のない方でも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

多くの飼い主さんが、最初に教えようとトライされるものでもあると思います。オスワリのことを「Sit(シット)」、フセのことを「Down(ダウン)」など、英語で教える飼い主さんもいらっしゃいますね。

英語と日本語どちらが良い?

警察犬や盲導犬などのお仕事をする犬(職業犬)の訓練は、英語のコマンドを使用することが多いです。その理由は、日本語にはあいまいな表現が多いためです。日本語の場合、ひとつの動作にいくつかの表現方法がありますね。たとえば、犬に自分の近くへ来てほしいと思ったとき、英語だと「Come(カム)」の一言で、それ以外にほぼ選択肢はありませんが、日本語の場合は、「オイデ」や「コイ」、「キテ」など、複数の言い方が存在します。
ずっと同じ飼い主と暮らしていく家庭犬と違って、複数の人がコマンドを出す可能性のある職業犬の場合は、特に英語で教えておくべきなのです。

代表的なコマンド

オテやオスワリなどの基本的なもの以外にも、コマンドはたくさんあります。その種類は、大きく分けてふたつ。まずひとつ目は、教えておくと日常生活にとても役立つものです。
代表的なものとしては、先にあげたフセやオスワリに加え、

・マテ
・コイ
・ハウス
・ツケ(人の横について歩く)

など。
これらは、他の人に迷惑をかけないようにするため、犬が安全に暮らしていくために、非常に大切なコマンドです。
ふたつ目は、“トリック(芸)”を教えるときに使うコマンド。
言い換えれば、飼い主と犬がコミュニケーションを楽しむために教えるものです。たとえば、ボールやフリスビーを投げて持ってこさせる「モッテコイ」や「ジャンプ」、「ハイタッチ」などは、覚えさせるとコミュニケーションがより楽しいものになっていきます。

代表的なコマンド

コマンドの役割・効果

コマンドは、「犬が人間社会において、多くの人に愛されながら暮らすために必要なもの」といっても過言ではないと思います。たとえばドッグカフェで、むやみやたらに吠えたり、せわしなく動き回ったりする犬と、「フセ」のコマンドにしたがって、飼い主さんの足元で落ち着いて待っていられる犬。どちらがより多くの人に愛されるでしょう。
もちろん、やんちゃな子の方がかわいらしくて好きだと思う人もいるかもしれません。ですが、犬が得意でない人もいる場所の場合、飼い主としては、おとなしく待っていてほしいと思うものではないでしょうか。
また、ハイタッチなどのトリックができる犬は、そのかわいらしい姿で一躍人気者になりますね。

愛犬の安全を守る

愛されるか愛されないか、それだけではありません。コマンドを使って犬を誘導できれば、車道に飛び出して事故にあったり、人に飛びかかって怪我をさせてしまったりといった、危険な目にあう可能性も少なくなります。
安心して暮らしていくために必要なものが「コマンド」ともいえるでしょう。

また、狩猟犬や牧羊犬など、使役犬として働いてきた歴史をもつ犬種は特に、仕事をすることが大好きです。
飼い主のコマンドにしたがって動く。それが、犬にとっての仕事です。
一緒に楽しみながら練習を積むことで、飼い主さんと犬との絆もより一層強くなっていきます。

コマンドの教え方

コマンドを教えるときには、「ごほうび」が必要です。ごほうびは、愛犬が大好きなものなら何でもOK。オヤツでもボールでもロープでも、まずはとっておきのごほうびで始めてください。重要なのは、ほめるタイミング、ごほうびを与えるタイミングです。

たとえば、オスワリを教えたいとき。地面にお尻がついている間にごほうびをあげてください。一度オスワリができても、立ち上がってからごほうびをあげてしまっては、「座ってから立つ」という一連の動作で覚えてしまいます。

タイミングの観点から考えると、ボールやロープなどのオモチャで教えるのは、難易度が高いです。コマンドを教えることに慣れていない飼い主さんの場合は、タイミングよく与えられるオヤツを使って始めてみることをオススメします。

また、コマンドを教える前に、名前を呼んだら飼い主の方を見る「アイコンタクト」を覚えさせましょう。名前を呼ばれたら、集中してコマンドを聞く。それができず、コマンドは覚えていても気が散って聞いてくれないというのであれば、意味がありません。

コマンドに関する注意点

ごほうびとしてオヤツを使う場合、当然のことながら、カロリーオーバーにならないように注意が必要です。コマンドの練習をした日は、いつもよりご飯の量を減らすなど、調整してあげてください。
また、オヤツばかり与えるのは、からだにあまり良くないと心配される飼い主さんも多いかと思います。1回に与えるオヤツは、ほんの少しで大丈夫。小型犬の場合は、小指の爪の先程度、大型犬でも、ほんのひとかけらで十分です。大きさを自由に決められる、ちぎって与えられるようなオヤツが理想ですね。

食べるのが大好きで、ドッグフードでも十分にテンションがあがるワンちゃんの場合は、その日のご飯の中から一粒ずつ与えてください。

また、家族全員が必ず同じコマンドを使うということも重要です。
たとえば、「ダメ」「イケナイ」「ノー」などコマンドが統一されていないと、犬は混乱して覚えてくれません。

コマンドに関する注意点

教えておくべきコマンド

日常生活を送るうえで、必ず教えておいてほしい基本のコマンド

・ハウス
・オスワリ(スワレ)
・フセ
・マテ
・コイ(オイデ)

これらの訓練を積むことで、飼い主と犬との信頼関係が生まれます。また、飛び出しや飛びつきによって起こる事故や犬同士の喧嘩などを防ぐためにも、必ずこの5つは教えておきましょう。
また、コマンドにしたがってトイレをするという、トイレのコマンドも教えておくと非常に便利です。
「ワンツー、ワンツー」という言葉を使って教えている飼い主さんが多いですね。トイレのコマンドが身についていると、友人の家にあがる前、お店に入る前、車に乗る前など、飼い主の望むタイミングでトイレを済ませてくれるので、とっても助かります。

コマンドでもっと楽しく

色々なコマンドを組み合わせて踊る“ドッグダンス”という競技があり、多くの飼い主さんが楽しんで参加されています。イベントに参加することはもちろん、犬と一緒に練習する過程がとても大切。犬にとって、頭とからだを使うことはストレス発散につながりますし、認知症の予防にもつながっていきます。

犬は、本当に賢い動物です。
うちの子はおバカさんだからとか、この犬種は賢くないなんて言う方がいますが、そんなことは一切ありません。覚えるまでの時間に多少の差はありますが、正しく練習を積み重ねれば、どんな犬種でも、いくつになっても、必ず覚えてくれます。愛犬を信じて、チャレンジしてください。

ほめるタイミング、誘導の仕方など、コツをつかんでしまえばどんな動作でも教えることができます。
また、コマンドをいくつか覚えていくと、犬の方も覚えるコツをつかんでいきます。覚えるスピードもどんどん早くなっていって、犬とのコミュニケーションがどんどん楽しくなっていきますので、ぜひ色々なコマンドにチャレンジしてみてください。

記事監督 獣医師 藤沼淳也

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