気温が上がると気を付けたいこと!

2021.03.29

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気温が上がると気を付けたいこと!

はじめに

冬の寒さから徐々に暖かくなって春を迎えると、気分も軽くなって外で過ごすことが増えますよね。
気温が上がるとペットは活動的になりますが、同時に冬の寒い時期には少なかった病気も暖かくなると増えてくることがあります。
今回はそんな気温が上がると注意が必要な病気について説明します。

フィラリア感染症

フィラリア感染症はひもの様な形をした線虫が主に犬の心臓に寄生する病気です。
フィラリアは最初は目に見えないほどの小さい虫ですが、成長を繰り返すとひも状の寄生虫に成長し、心臓の中に寄生して、心臓の機能を低下させます。この病気は蚊によって感染することが有名で、蚊が出る時期に薬を飲ませたり、スポット剤の薬を背中に垂らしたりすることで予防が可能です。
もし予防せずに感染してしまうと、咳が出たり呼吸が悪化して最終的には寿命にも影響する怖い病気です。
蚊が出始める時期に血液検査で感染がないかを確認してから、予防の薬を飲み始めることになります。

実際に見られた症例

都心ではあまり見られなくなりましたが、少し自然の多いエリアではいまだにフィラリアの感染症が発生しています。検査で血液の中にうごめく虫が見られることがあるので、飼い主さんはショックでしょう。成虫は心臓に寄生するので、道具を使って心臓の血管からひものような虫を釣り上げる手術をします。リスクが高いので予防薬を確実に飲ませましょう。

ノミ・マダニ

暖かくなると、お散歩に行くことも増えると思いますが、そんな時に草地や茂みなどで身体につきやすいのがノミやマダニです。
ノミは3mmほどの小さな虫ですが、茂みに隠れていて動物が近づいてくるとジャンプして飛び乗り寄生します。毛の間を走り回るため、寄生していてもなかなか見つからないことが多いです。一箇所でも咬まれて血を吸われると、ノミアレルギー性皮膚炎を起こし、全身的なかゆみや皮膚の湿疹を引き起こすことがあります。
マダニも草むらで待ち構えていて、ペットのお腹や顔まわりなど柔らかいところの皮膚に咬み付いて寄生します。最初は3mmほどですが、血をたくさん吸って1cm以上の大きさまで大きくなることもあります。
人がマダニに咬まれるとSFTSウイルスやライム病などの病気に感染する可能性があるので見つけた場合には必ず動物病院で取ってもらう様にしてください。
動物病院で処方される予防薬を定期的に使用することによって、身体についてもすぐに駆虫することが可能です。

実際に見られた症例

以前見た症例では、大型犬のお腹にびっしりと黒い小豆のようなマダニがくっついていたことがありました。お腹は皮膚が薄いのと茂みの中で付着しやすいため、マダニがつきやすい場所です。
家の庭に出していたら全身にノミが寄生して貧血を起こしていた猫も見たことがあります。遠くへ行かないからと庭に出しているだけでもノミが寄生することがあります。寄生すると1日以内に卵を産み始めるので、室内で繁殖する可能性もあります。少しでも外へ出るなら予防薬は必ず使用しましょう。

熱中症

気温が上がって30℃を超える様になってくると熱中症のリスクが増えます。
室内で飼育している場合はエアコンをかけたり直射日光を防ぐなど、環境温度が上がりすぎない様に注意しましょう。
庭などの屋外で飼育している場合は、日陰や風通しのいい環境を作ったり、土に直接触れて涼める場所を用意してあげましょう。難しい様であれば、日中は室内に入れてあげることも考えましょう。

実際に見られた症例

暑くなり始める時期から熱中症は見られます。特にパグやブルドッグなどの短頭種は熱をうまく逃せないためすぐに熱中症にかかります。
朝の涼しい時間に散歩しただけで熱中症になった子もいました。発見が遅れて亡くなった子も何度も見られています。
環境に注意して予防を徹底してください。

皮膚病

気温が上がり、湿度も上がってくると細菌やカビも元気になります。
特に毛が長く、ダブルコートになっている犬種は温度と湿気を毛の根元に蓄えやすいため、梅雨から夏にかけて皮膚病が多くなります。
急に毛が抜けてジュクジュクした傷になってしまう皮膚炎もあります。
定期的なシャンプーや熱がこもらない様トリミングしたり、環境の温度を下げてあげるなどで予防してください。

外耳炎

皮膚病と同じ様に気温が高くなると外耳炎が増えます。
特に耳が垂れている犬種や耳毛が多い犬種、皮膚が脂っこい犬種では細菌やカビによる外耳炎になりやすいです。痒みが続くと耳の皮膚の中に血が溜まる耳血腫などになることがあるため、臭いや赤み、耳垢が多いなどの症状がある場合には早めに動物病院で治療しましょう。

実際に見られた症例

皮膚病や外耳炎は動物病院でもっとも多く診察する病気です。
原因がわかりづらいものが多く、細菌やカビなどの他にアレルギーや自己免疫性疾患、腫瘍、ホルモン性疾患などが原因で同じような症状が出ることがあります。
治るまで時間がかかることもあるので、焦らずに治療していきましょう。

まとめ

気温が上がると寄生虫やそれを媒介する虫たちも動きが活発になり、日本の梅雨から夏にかけての気候は特に高温多湿なため、細菌やカビが特に繁殖しやすい時期になっています。
普段過ごす環境では皮膚病など、キャンプのようなアウトドア環境では寄生虫などに狙われるリスクが増えます。予防できるものについては、事前に獣医師に相談して安心して楽しく過ごせるように準備をしましょう。

記事制作・監修 獣医師 天野謙一郎

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